キングダム33巻「合従軍退却」感想

~あらすじ~

龐煖との一騎討ちに臨んでいる信は、自らに余力がもう無いことから、龐煖の矛を狙う作戦に出た。
信は振り下ろされてくる龐煖の矛をめがけて自らの剣を振り、己のすべてを叩きつけた。
この気迫のこもった一撃により龐煖の矛は弾かれ、龐煖は大きく体勢を崩す。
そこへ信は突きを見舞い、龐煖の左胸へ剣を突き刺した。
これは僅かに浅く、致命傷とはならなかったが、相当なダメージを与えることに成功。
しかし龐煖は素早く身を引き、矛の柄で突きを繰り出して反撃に転じる。
信はこれに反応し、得意の跳躍で躱すと上から龐煖の顔面を斬りつけた。
これは龐煖の命を奪うほどではなかったが、かつて王騎将軍が龐煖の顔に付けた傷とほぼ同じものになった。
龐煖は矛の柄で信のこめかみを殴打し、何とか凌ぐ。
これにより吹き飛ばされた信であったが、満身創痍の状態から気迫で立ち上がり、再び龐煖と対峙する。
龐煖のダメージも相当なもので、勝負の行方は分からなかったが、ここで趙軍副将の晋成常(しんせいじょう)が割って入り、龐煖に李牧からの言葉を伝え、退却を促した。
龐煖はしぶしぶ応じると、信に名を聞いてから退却していった。

晋成常は退却する李牧軍の殿を務めており、山の民たちと戦いを開始する。
しかし、山の民たちは強く、晋成常はバジオウに討ち取られた。
李牧軍は全軍が退却。
蕞は守られ、合従軍の敗北が決まったのであった。

その夜、蕞では勝利の宴が催され、山の民たちと共に皆で酒を飲んだ。
しかし疲れから、宴もそこそこにほとんどのものが眠りに落ちたようだ。

空が白み始めたころ、政と信は二人で蕞の城壁の上に出て、今回の戦を振り返っていた。
今回の戦では実に、蕞の住人の半数が命を落とした。
まだ城内のそこかしこに傷ついた者や、遺体が置かれている様子を一望して、政は責任を痛感し、感謝し、戦い抜いた蕞の住民たちに深く頭を下げた。

政は蕞を歩いて回り労をねぎらった後、皆で咸陽へと戻り、山の民たちはバンコ族との再戦のために山界へ戻って行った。
そして敗北した合従軍は、合従軍を離脱した「斉」へと攻め入った。
これは春申君の発案であり、秦から奪うはずだった土地と財を斉から奪うための行動である。

斉が合従軍との全面戦争を覚悟する中、なんと激戦を終えたばかりでズタボロの蒙武軍が合従軍の背後を急襲する。
結局、合従軍は斉の都市である「饒安」(じょうあん)を落としたところで解散。
今回の大規模な戦は幕を閉じた。

数日後、咸陽では論功行賞が開かれ、第一功は蒙武であった。
蒙驁、張唐、桓騎、王翦、騰、麃公の六将には等しく「特別大功」が授与された。
さらに、今回は「特別準功」が三つ用意されており、一つは蕞の住民へ、一つは楊端和と山の民に、そしてもう一つは信に送られた。
これにより信は三千人将となったのである。

晴れて三千人隊となった飛信隊が麃公兵を迎え入れ、合従軍によって破壊された村々の復興に携わっていたころ、趙国の山中では羌瘣が姉の仇である「幽族の連」と対峙していた。

連は羌瘣が自分を狙っていることを察知しており、二十二人の幽族の仲間を周囲に潜ませていた。
幽族に取り囲まれ攻撃された羌瘣は劣勢に陥るが、巫舞によりこの危機を一気に脱する。
羌瘣はそのままの勢いで連に斬りかかり、勝負を決めるかに思われたが、なんと連には羌瘣の巫舞が通じなかった。



~感想~

信が凄いっす!
あの龐煖を一騎討ちで撃退しました(^^)
信の突き立てた剣は、あともうちょっと深ければ心臓にいってたかもしれません。
もうちょっとだったんですけど惜しかったですね~。
これは龐煖の左手が使えなくなっていたことだけが原因ではないでしょう。
信が腕をあげたということもあるでしょうが、なんといっても、王騎将軍の死や麃公将軍の死が信に力を与えてくれたのだと思います。
この辺りの感覚は龐煖には理解できないようですね。
李牧は龐煖を「暗闇の中、道の終着の地に立っている」と表現していますが、龐煖はもうこれ以上は強くなれないのかもしれないですね。
対する信はこれからもどんどん強くなっていくはずですから、いずれは龐煖を討ち取ることもできるはず。
龐煖はたぶん誰よりも修練を積んだのでしょうが、どうやら道を誤ったようです。
羌瘣も信たちと出会わなければそっちの道に進んでいたのしょうが、今は光の当たっている道を進んでいるので、羌瘣はこれからめちゃめちゃ強くなるかもしれません。

その羌瘣、いよいよ幽族の連と相見えました。
正直、卑怯者が相手なので最初は楽勝だと思っていたのですが、意外にも連がスゴク強い(;_;)
卑怯もんのくせに強いというのは、なんか悔しいので、羌瘣にボコボコにしてもらいたい。
でも今のところボコられているのは羌瘣です(T_T)
羌瘣のおなかに膝蹴りとかマジでやめてほしい…
でも巫舞が通じないですからねぇ、一体どうするんでしょう?

さらに信は三千人将に!
そして飛信隊には麃公兵という秦軍一の兵たちが五百名も加わり、三千人隊になりました!
壁はこのとき三千人将だったので、信に並ばれてしまったようです(^^;

~33巻のベストシーン~

信が龐煖の矛を弾き飛ばしたシーン。
見開きで迫力がありました(^^)
蕞で皆が勝鬨をあげているシーンもカッコよかったんですけどね。

改めて見ると龐煖は身体がデッカイですね。
龐煖と比べると信はスゴく小さく見えます。
この体格差を跳ね返したわけですからやはり凄いシーンでした。


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