~あらすじ~
韓軍総大将の成恢まですぐそこの距離に迫った張唐将軍は、兜を脱ぎ捨て自分の人生を振り返っていた。
張唐将軍いわく、自分は齢十五にして初陣を飾りそれから五十年、戦場を渡り歩いてきた。
我ながら悪くない道のりであった。
あとはどのように花道を飾るかであり、それが戦場で死ぬのであれば構わないが毒はない。
毒による死は武将の死に方ではない、とのこと。
そして張唐将軍は怒りを露わに成恢に向かって突撃していく。
しかし成恢は冷静であり、張唐将軍に猛毒の矢を打ち込んだ。
これにより崩れ落ちる張唐将軍を横目に見ながら脱出を試みる成恢であったが、なんと張唐将軍は死んでおらず、逃げようとする成恢を後ろから討ち取った。
成恢を討ち取った張唐将軍は死ぬ間際、桓騎に、秦国一の武将となれ、と言い残すが桓騎はこれに対し、寝言は死んで言えよジジイ、と応じる。
そして張唐将軍は息を引き取ったが、その際に馬上から落ちようとする張唐将軍を、桓騎は落とすまいと手で支えたのであった。
~感想~
張唐将軍は毒による死を武人の死にざまではない、と言っていましたが、毒におかされつつも敵の総大将を討ち取って死んでいった張唐将軍の死にざまは、見事、の一言に尽きると思います(;_;)
致死性の毒を何度もくらって、それでも動き続けることができたのは、張唐将軍自身も言っていましたが、武将の力のなせる業なのでしょう。
王騎将軍も似たようなことを言っていましたが、誰よりも強いはずの龐煖が王騎将軍に勝てなかったのはこの力が無いためだと思います。
乱戦の中、死期を悟っている張唐将軍が兜を脱ぎ捨てて人生を振り返る場面はしびれました。
実写化したらぜひ再現してもらいたい名シーンです。
キングダムの実写化はいつか実現しますかねぇ。
ぜひ見てみたいものです。
そして桓騎についてですが、張唐将軍の死に際に暴言を浴びせたときは、なんて男だ!と憤慨しましたが、初めて優しさを見せてくれましたね。
馬から落ちそうな張唐将軍を支えてくれたのですが、初めて人間らしい桓騎の姿を見たような気がします(^^;
いつか成蟜と同じように、桓騎にも泣かされる日がくるのでしょうか。